弘前さくらまつり

青森県弘前市の概要


青森県弘前市は、江戸時代の古城や明治期の近代建築が点在し、「東北の小京都」とも呼ばれています。市の花はサクラ、市の木はリンゴで、リンゴの生産量は全国シェアの約20%を占めるほど。「りんごのまち」として有名です。
弘前城と弘前公園
江戸時代から続く貴重な天守
弘前城(弘前公園内)は、1611年に築城され、江戸時代に弘前藩を治めた津軽家12代の居城でした。東北地方唯一の現存天守を有する城郭として知られ、別名「鷹岡城」「高岡城」と呼ばれることも。1627年、落雷による火災で天守が焼失したあと、1810年に再建されて現在の3層天守となりました。城内には3基の隅櫓(すみやぐら)、5つの城門が現存し、いずれも国の重要文化財に指定されています。
弘前公園のサクラの歴史

最初のサクラが植樹されたのは1715年頃と伝わり、京都から藩士が持ち帰った25本が始まりとされます。藩士や市民の寄付によって徐々に本数が増え、現在は約52種類・2,600本のサクラが咲き誇る日本有数の花見スポットとなりました。園内にある最古のサクラは樹齢約140年。「御瀑桜」や、松やヒバなどの古木も見どころです。
弘前さくらまつりの開催

- 期間:毎年4月中旬~5月上旬頃
(2024年は4月19日~5月5日を予定) - 会場:弘前公園(面積約49.2ヘクタール)
弘前城天守や岩木山(津軽富士)を背景に、ソメイヨシノ・シダレザクラ・八重桜など多彩なサクラが広大な敷地に咲き乱れます。さらに、樹木医による独自の管理技術で、花びらが大きく色鮮やかなサクラが楽しめるのも弘前ならでは。
花筏(はないかだ)

サクラの散り際には、花びらが護城河に積もり、まるでピンクの絨毯が水面を覆うような美しい光景が生まれます。これを日本語で「花筏(はないかだ)」と呼び、弘前城さくらまつりの名物風景の一つ。儚さと美しさが同居する花筏は、見逃せない絶景です。
露店とイベント

- 露店エリア:四の丸・遊楽広場周辺を中心に屋台が並び、ラーメン・おでん・焼き鳥・うどんなど多彩なグルメが味わえます。お化け屋敷や射的、輪投げ、金魚すくいなどの催しもあり、お祭り気分を満喫できます。
- 所要時間:公園を一周するだけなら2時間半ほど。食事や屋台、アトラクションを楽しむなら4~5時間を見込むと良いでしょう。
夜桜ライトアップ

夜間(例年22時頃まで)は園内各所でライトアップが行われ、夜桜ならではの幻想的な世界に。護城河に映る桜と天守のコラボレーションはまさに圧巻。昼間とは全く違う雰囲気で、まるで別の世界に誘われるような体験ができます。
マナーと注意点
- 枝を折らない・花を摘まない
樹木に傷がつくと病害が発生し、サクラ全体が衰弱する恐れがあります。 - 幹や根に飲み物をかけない
アルコールやジュースを掛けると根が腐る原因に。 - ゴミの分別・所定の場所へ廃棄
公園内にはゴミ箱や回収場所が設置されているので、マナーを守って楽しく花見をしましょう。
アクセス
- 最寄駅:JR弘前駅からバスで約15分、または徒歩30分
- 駐車場:まつり期間中は混雑必至。臨時駐車場や公共交通機関の利用がおすすめ。
まとめ
「弘前さくらまつり」は、歴史ある弘前城を舞台に、圧巻のサクラの競演を楽しめる日本屈指の花見スポット。散り際の花筏から華やかな露店、夜桜ライトアップまで、1日中楽しめる要素が満載です。春の青森を訪れるなら、ぜひ弘前公園を候補に入れてみてください。美しいサクラとともに、古城と津軽富士の壮観な景色があなたを待っています。