日本の寺院・神社 基本ガイド

日本の寺院・神社 基本ガイド
楽器を演奏する巫女さん

はじめに

京都清水寺

日本には全国に約7万7千もの寺院、そして約8万1千の神社があります。観光客が訪れる代表的なスポットの一つとして、仏教寺院や神道の神社が挙げられますが、初めて日本を訪れる方にとっては参拝方法やマナーがわからない場合も多いかもしれません。

ここでは、歴史や宗教的背景の解説は最小限に留め、実際に寺院や神社で参拝するときの基本的なマナーや知識を紹介します。


1. 日本の寺院(仏教)

1.1 寺院への参拝方法

  • 基本の流れ
    1. 礼拝場所で立ち止まる
      • 本尊(仏像)が安置されている場所へ向かったら、まずは仏様の前で一度立ち止まり、仏像を仰ぎ見るようにして意識を向けましょう。
    2. お賽銭を投入
      • 賽銭箱がある場合、硬貨やお札を静かに投入する。
    3. 合掌し、祈願
      • 両手を合わせ(合掌)、自分の願いや感謝を心の中で伝える。
    4. 一礼
      • 最後に少し頭を下げて退きます。

1.2 代表的な寺院の例

京都の清水寺、奈良の東大寺、鎌倉の大仏(高徳院)など有名なお寺では多くの人が参拝に訪れます。


2. 日本の神社(神道)

長崎市風頭大権現

2.1 神社について

神道は日本古来の宗教で、神社は神道の神々を祀る施設となっています。

鳥居(とりい)は神社の入口に建てられる門です。ここをくぐることで、俗界から神聖な領域への区切りを示します。

狛犬(こまいぬ)は鳥居付近や社殿前に一対で置かれ、神域を守る存在とされます。

2.2 神社での参拝マナー

神社にみられる手水舎
  1. 手水舎(ちょうずや)での清め
    • 拝殿に進む前に、手水舎で手と口を清めます。(柄杓を使い、左手 → 右手 → 口の順で水を注ぎ、最後に柄杓を洗う。)
  2. 賽銭箱へお賽銭
    • お賽銭を入れる。(金額は自由)
  3. 鈴のある場合
    • 鈴を鳴らし(チリンチリンと鳴らす)、神様に参拝に来たことを報告。
  4. 二礼二拍手一礼
    • (1)深く2回おじぎ
    • (2)胸の高さで2回拍手
    • (3)再度おじぎ1回
    • 心の中で感謝や祈願を伝えます。

2.3 神主と巫女

神社を管理する神主さん
こちらは巫女さんです
  • 神主:神社を代表して祭儀を取り仕切る役目。
  • 巫女:神楽や祈祷を補佐する女性。白衣に赤い袴が特徴的。

3. お札・お守り・絵馬・おみくじ

3.1 絵馬(えま)

千光寺絵馬です。神社によっては模しているものが異なることも。

神社などに奉納する木製の小さな絵馬に、願いごとを書き、社殿の所定場所に掛けて祈願します。

馬の絵が描かれている由来は、古代は本物の馬を神に捧げていたことからだそうです。

3.2 お守り・お札

お守りは身につけて持ち歩き、厄除けや交通安全、学業成就など目的に応じた種類がある。

お札は家の神棚などに祀ることが多いです。学生さんなら筆箱に、ビジネスマンならバッグに忍ばせるなど、持ち物の中にそっと入れておくことで、思わぬ場面で救われるかも。

3.3 おみくじ

  • 吉凶など運勢を占う小さな紙。
  • 引いた後、内容を持ち帰るか、境内に結んでおく場合もある(神社・お寺によって異なる)。

3.4 御朱印(ごしゅいん)

宫崎県鵜戸神宮の御朱印です

御朱印は寺社ごとに押される朱印や記念スタンプのことです。本来は写経を奉納した証でしたが、近年では多くの参拝者が御朱印帳に収集し、巡礼の記念とするなど、ブームとなっています。


4. まとめ

日本には約7万7千の仏教寺院、約8万1千の神社があり、観光地としてだけでなく、日常的に人々の信仰や生活に根ざしています。

  • 寺院:仏様や菩薩、諸天をお祀りする場所で、合掌やお辞儀をして静かに祈る。
  • 神社:神道の神々をお祀りし、鳥居をくぐってから二礼二拍手一礼で祈願。
  • 絵馬・お守り・御朱印など、特有の文化を体験してみるのも旅の楽しみ。

日本各地でさまざまな寺や神社を訪れ、歴史や文化に触れながら、参拝のマナーを大切に心静かに手を合わせてみましょう。きっと、その土地ならではのご利益や心の安らぎを得られるはずです。